2022年8月28日(日)20時50分  

週末はジャクソンホール会議を経て
NYダウ-3.03%、Nasdaq-3.94%、SP500-3.36%
と軒並み3%を超える急落になりましたね!


これで明日は、TOPIXの前引け(11時半)が1939.9982以下で
日銀のETF買い入れが後場入ることになります。

さて、結論から言えば、米株はまだまだダメ。
個人的には50%を超えるような大暴落を起こすという考えに変更はありません。



以下の青いラインは米10年実質金利です。ご覧のように8月1日に底入れして反転上昇中。


これが下向き(低下傾向)になれば、赤ライン(NYダウ)も
黄色ライン(ゴールド)も上がる可能性がありますが
ご覧のように実質金利が上昇中では株を買える状態ではありません。
今回は実質金利の上昇に株価の下落が遅れたパターンという解釈をしています。

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2021年のジャクソンホール会議で歴史に残るミスジャッジを披露してしまったパウエルFRB議長。
インフレは沈静化するとの当時の見立てはまったく的外れであったことから
本年はインフレファイターであることを強調し、インフレ退治には痛みが伴うと指摘。

これはインフレ退治のために
株安と景気悪化を明らかに容認する。
との宣言ですね。

今回のインフレを理解するために約40年前のインフレを退治した
あのポール・ボルカーの回顧録は最低限読んでみると
いいのではないでしょうか?

ただ、今回のインフレは
1、人件費が高騰(コロナにより職の選別が加速)
2、エネルギーが戦争絡み
という点で、ボルカー時代とは違い
たとえ、サプライチェーンの問題が多少解決しても
インフレが収まらない可能性があるので
これはかなり厄介なのでは?と思っています。

したがってそう簡単に緩和などできるはずもなく
一部で期待されていた2023年~の利下げは望み薄。

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インフレは退治しなければなりません。
そのためには痛みを伴います。
それは甘受して下さい。
というのがパウエル氏のメッセージです。

しかし、すでに景気は恐ろしいほどのスピードで悪化しています。

それは例えばこれ
・ NY連銀製造業景況指数、まいなす31.3に大幅悪化
 (2001年以降で2番目に大きな下げ幅)



そしてこちら
・ ドイツのZEW期待指数、8月は一段と悪化
(ほぼコロナパンデミック時と並んでいます)



・ 中国の利下げ
 不動産バブル崩壊
 ゼロコロナ政策がなお打撃


上記はどれも劇的に景気が悪化していることを示しています。
このような環境下で、果たしてどこまで金利を上げ続けることが出来るのか?
そして利下げせずにその金利水準を維持できるのか?

場合によると、一部サプライチェーンの回復と
半導体需要の落ち込みで、インフレが局所的に
収まる可能性はあると思います。
(人件費やエネルギーはそう簡単ではないと思いますが)

その時に、上記のような実体経済がさらに悪化していて
パウエル氏がバイデンに呼び出されて
金利を下げろ!
と恫喝された場合
もしかすると、株はもう一相場あるかも知れません。
(バーンズタイプですね)

しかし、それは最後の宴でしょう。

根本的なインフレが収まらず実体経済が悪化すれば
益々、株を保有する理由はなくなります。

これは他の側面からのアプローチでもあるので
一応、頭の片隅に置いておくべきシナリオですが
本線はそうした最後の宴なしに、奈落の底。
と思っています。

先日メールで書いた
「ドル基軸に対する挑戦」
の件ですが、これは別の角度から見れば

あの天才・ゾルタンポズサーの指摘する
ブレトンウッズ3 の時代のことなのです。


来るべき大変化の時代を前に
出来うる限りの備えをしておきたいところですね。

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以下は、弊社オリジナルロジックによる自動売買
B-TradeとKENSHIN001の合計の成績です。

2021年
12月 +2020円

2022年
1月 +1700円
2月 +2100円
3月 -110円
4月 +1290円
5月 -200円
6月 +195円
7月 +440円
合計 +7435円

ではでは!