2023年5月19日の日経平均株価は高値30924.57円まであって引けは30808.35円。バブル後の高値を更新。1990年8月以来、約33年ぶりの高値水準を示現しました。
5月12日(金)、日経平均株価は29300円台でしたが、メルマガで以下のように書きましたね。
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5月12日(金)、日経平均株価は29300円台でしたが、メルマガで以下のように書きましたね。
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もっと、株が上がって
もっと、大衆が株に強気になって
もっと、株を買わないのはリテラシーが低いとか言われて
何も考えずに株を買っている人たちが
自信満々になって欲しいわけです。
その時、日本株は急伸。
日本はやっとデフレからの脱却が本格化。
ついに物価の安定的な上昇が達成され、同時にインフレ懸念が台頭。
日銀へ利上げ圧力が高まる。
という展開が理想的。
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これは、インフレ株高の世界観のことを指していますが、この過程を経てから暴落。というのがメインシナリオです。
インフレは一般的に遠からず利上げが行われるので、結果として株安になるのであって利上げが行われるまでは
インフレ=株高
です。
今回、なんでこんなに日本株が上がったのか?わからない。
という声がとても多く上がっています。
意味不明・訳ワカメということですね。
僕なりに考える今回の上昇理由を以下にいくつか挙げておきたいと思います。
1、実質金利低下
日本の実質金利は低下しています。それは政策金利が固定されているなかで、やっと期待インフレ率が上がってきたからですね。
実質金利=政策金利‐期待インフレ率
この期待インフレ率(BEI)は、一般的にインフレ連動債をもとに計算しますが、日本のインフレ連動債はマーケット規模が小さく果たして実態を示しているのか?と疑問視する声があるのは事実なので、日本の実質金利は正確かどうか?これは分かりません。
いままでこのブログやメルマガでご紹介して来たのは、米国の実質金利です。
青ライン・・・米実質金利
緑ライン・・・NYダウ

米国の実質金利は利上げと共に急伸して、米株下落の主因となりました。
以下は正確かどうか?は別として、日本の10年債利回りー期待インフレ率、つまり日本の実質金利がブルーのライン。
上にあるオレンジのラインはコントロールされている10年債利回りです。

さすがに日本もインフレが進んでいますので、期待インフレ率が上昇し、実質金利を押し下げています。
しかし、この現象は上記を見る限り、すでに2021年から始まっています。ですから、この現象だけで今回の株高を説明するのは困難。
2、外国人大幅買い越し
外人は4月2兆円超の買い越しです。
https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/investor-type/cg27su000000582b-att/stock_val_1_230402.pdf
https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/investor-type/cg27su0000005xu6-att/stock_val_1_230403.pdf
3、東証市場改革
これまで何度も取り上げて来ましたが、ここにきてPBR1倍割れ回避の施策が市場の水準訂正を示現するほどの威力があるとは、いまのところ感じませんが、3が2を起こしているひとつの要因になっている可能性は否定しません。
4、何といってもこれ!
それは植田新総裁の下で行われた金融政策決定会合。
中でも特にこれです。
植田氏が日銀総裁に決まる前から、市場は黒田後を警戒していました。そして植田氏に決まる少し前の昨年12月、ご存じの通り、あの黒田氏がYCCの水準を引き上げたのです。
あの黒田氏ですら、引き締め方向に動いたわけですから、次期日銀総裁が誰であれ、多かれ少なかれ、そう遠くない将来に(早ければ初回または6月の会合で)何らかのアクションが取られる可能性は極めて高い。
そんな風にマーケットは捉えていたわけです。
そこへ植田氏が今回の決定会合で、緩和維持のみならず、1年~1年半という時間をかけた検証を行う。としたことで、ここから1年~1年半は、検証中だから動かない。と言える時期です。もちろん、そこには物価がこのあと安定するとみている植田氏の読みもあるでしょう。1年以内に急速なインフレが進むなど、緊急の事態となればこの限りでないことも踏まえています。
それでも、インフレにも関わらず、政策金利が上がらないわけですから、それは1の通り、実質金利低下となり、マネーはエクイティ(特に株)へと流れていくのは道理といえば道理。
タイミング的に植田新総裁の下で行われた金融政策決定会合後の株価急伸がそれを示しています。
つづく
これは、インフレ株高の世界観のことを指していますが、この過程を経てから暴落。というのがメインシナリオです。
インフレは一般的に遠からず利上げが行われるので、結果として株安になるのであって利上げが行われるまでは
インフレ=株高
です。
今回、なんでこんなに日本株が上がったのか?わからない。
という声がとても多く上がっています。
意味不明・訳ワカメということですね。
僕なりに考える今回の上昇理由を以下にいくつか挙げておきたいと思います。
1、実質金利低下
日本の実質金利は低下しています。それは政策金利が固定されているなかで、やっと期待インフレ率が上がってきたからですね。
実質金利=政策金利‐期待インフレ率
この期待インフレ率(BEI)は、一般的にインフレ連動債をもとに計算しますが、日本のインフレ連動債はマーケット規模が小さく果たして実態を示しているのか?と疑問視する声があるのは事実なので、日本の実質金利は正確かどうか?これは分かりません。
いままでこのブログやメルマガでご紹介して来たのは、米国の実質金利です。
青ライン・・・米実質金利
緑ライン・・・NYダウ

米国の実質金利は利上げと共に急伸して、米株下落の主因となりました。
以下は正確かどうか?は別として、日本の10年債利回りー期待インフレ率、つまり日本の実質金利がブルーのライン。
上にあるオレンジのラインはコントロールされている10年債利回りです。

さすがに日本もインフレが進んでいますので、期待インフレ率が上昇し、実質金利を押し下げています。
しかし、この現象は上記を見る限り、すでに2021年から始まっています。ですから、この現象だけで今回の株高を説明するのは困難。
2、外国人大幅買い越し
外人は4月2兆円超の買い越しです。
https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/investor-type/cg27su000000582b-att/stock_val_1_230402.pdf
https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/investor-type/cg27su0000005xu6-att/stock_val_1_230403.pdf
3、東証市場改革
これまで何度も取り上げて来ましたが、ここにきてPBR1倍割れ回避の施策が市場の水準訂正を示現するほどの威力があるとは、いまのところ感じませんが、3が2を起こしているひとつの要因になっている可能性は否定しません。
4、何といってもこれ!
それは植田新総裁の下で行われた金融政策決定会合。
中でも特にこれです。
植田氏が日銀総裁に決まる前から、市場は黒田後を警戒していました。そして植田氏に決まる少し前の昨年12月、ご存じの通り、あの黒田氏がYCCの水準を引き上げたのです。
あの黒田氏ですら、引き締め方向に動いたわけですから、次期日銀総裁が誰であれ、多かれ少なかれ、そう遠くない将来に(早ければ初回または6月の会合で)何らかのアクションが取られる可能性は極めて高い。
そんな風にマーケットは捉えていたわけです。
そこへ植田氏が今回の決定会合で、緩和維持のみならず、1年~1年半という時間をかけた検証を行う。としたことで、ここから1年~1年半は、検証中だから動かない。と言える時期です。もちろん、そこには物価がこのあと安定するとみている植田氏の読みもあるでしょう。1年以内に急速なインフレが進むなど、緊急の事態となればこの限りでないことも踏まえています。
それでも、インフレにも関わらず、政策金利が上がらないわけですから、それは1の通り、実質金利低下となり、マネーはエクイティ(特に株)へと流れていくのは道理といえば道理。
タイミング的に植田新総裁の下で行われた金融政策決定会合後の株価急伸がそれを示しています。
つづく