こんばんは、吉田です。
新型コロナウイルスは欧米で猛威を振るっていますね。
イタリアのコンテ首相は、「第二次世界大戦以降、
イタリアが経験したもっとも厳しい危機だ」と述べ
社会が機能するために、最低限必要な商品の生産・販売や
サービスの提供以外の活動は大きく制限するとしています。
具体的には、食料品店や薬局、郵便局や金融機関、
それに公共交通機関などを除いた仕事については、
在宅勤務以外認めないということです。
つまり通勤すら認められない。
という状況ですね。
ドイツメルケル首相もすでに18日には
第二次大戦以降最大の挑戦という表現を使っています。
日本ではクルーズ船を除くと、感染者数の合計が1061人
ですが、イタリアは1日で約800人の死者が出ていますし
米国やスペインでも感染者は1日で4000人も増えています。
欧米と日本では感染者数、死亡者数が大きく違うので
危機感もかけ離れていますが、これは本当の実態を
示しているのでしょうか?
というのも、前回のメールでお伝えした通り
言うまでもなく、日本はオリンピックを控えています。
習近平国家主席の訪日が中止と発表されてから
間髪入れずに中国からの入国者に2週間の待機要請が
出されたのは記憶に新しいところ。
オリンピックは巨額の放映権、CM、など
利権構造の坩堝であることから
保険の問題もあって、大人の理論でことが
進まないようですね。
そもそもマラソンを東京から鶴の一声で
札幌に変えたIOCが仕切るしかないと
普通は思うわけですが
当のICOにしてみれば、何とか開催したい。
と選手のことなど顧みずに判断をズルズル伸ばし
挙句の果てに、WHOから求められたら
開催を断念せざるをえない。という始末。
日本としても日本の状況が悪いから。と
日本の責任にされては大変なことになる。
というわけで、感染者数や死者数が
伸びることは何としても避けたいという状況。
よって、オリンピックの中止さえ決まれば
即座に緊急事態宣言を発動時
⇒欧米同様のロックダウンが起こる可能性はあります。
また、これも前回のメールで書いた通り
今回のコロナショックは完全にリーマン級に
発展する状況になって来ましたね。
というかリーマンを超える危機になる
可能性が出て来ています。
例えば、FRBは緊急利下げを2回行いました。
3月3日に0.5%
3月15日に1.0%の緊急利下げですね。
これで米国は2008年のリーマンショック以来の
ゼロ金利政策を実施することになったわけですが
3月19日に向けて、米2年債、10年債利回りとも急上昇!
これはトランプ大統領が発表した1兆ドルの経済対策
による影響が大きいとはいえ
中央銀行が2回も緊急利下げを行ったにもかかわらず
逆に債利回りが急上昇したのには、さすがに身構えました。
幸い19日をピークにやや債券利回りは低下気味で
週末の取引を終えていますが
利回りは上昇時は、原油やゴールドといった実物の
アセットも売られ、つまり全てのアセットが投げ売り。
という状態になりました。
これは記憶している範囲で、やはりリーマンショック以来の
そして、米国トランプ大統領はこの新型コロナウイルスを
チャイナウイルスと呼び、米国は中国責任論を展開し
中国は中国で米国責任論を展開し新たな米中対立の
構図を繰り広げています。
ここで問題になってくるのが中国が保有している米国債。
にあるように、中国は日本に次いで世界第二位、
1兆ドル以上の米国債を保有しています。
同様の議論は米中貿易戦争の時も度々引き合いに
出されて来ましたが、それを中国がしないのは
米国債売却⇒米金利上昇⇒ドル高元安の進行
⇒資本流出の加速
というロジックで語られるケースが多いわけですが
今回は、すでに米金利がなぜか?急騰したことから
真意は定かではありませんが、
米国が「国際緊急経済権限法」に基づき
中国が保有する米国債についての償還を認めない。
とする脅しに対する対抗をスタートしているのでは?
との思惑を呼んでいます。
いずれにしても、現在のコロナショックが
実体経済に大きな影響を与えているのは間違いなく
今後はそれが金融システムにいつ
どのようなタイミングでどんな影響を及ぼすか?
が極めて重要になってきますね。
米国の新規失業保険申請件数は歴史的な数字になると
予測されています。
ドルの信認と雇用を守ることが使命のFRBは
この数字を見て、次にどんな一手を打ってくるか?
一説には、ボーイングなど今回のコロナショックで
甚大な被害が出ている企業を倒産の危機から救うために
何らかの措置を取るとも言われていますし
日銀を見習って(?)米国企業の株を買う。
というウルトラCも噂されています。
これらについて、ひとつひとつ全て追いかけるのは
至難の業ではありますが、
事前にシナリオを頭に入れておくことで
次に何が起こり得るのか?
それが株価を押し上げた時に、その上昇が
ホンモノか?単なる戻りに過ぎずまた下落するか?
の決定的な判断材料にまではならなくとも、
チャート分析と合わせて考察することで、
マイナスにはならないのでは?と思っています。
と、ここまで材料面の話しをしてきましたが
何かひとつでも参考になれば幸いです。
日本における新型コロナウイルスが
このまま終息に向かえばいいですね。
ただ、それをコントロールすることは
出来ないので、やはり食料品や生活必需品は
早めに手当てしおくに越したことはないでしょう。
(何もなければそれでいいことです)
なお、通常、相場は張るときに、
自分はこうした材料などは
まったく気にしません。
いまは新型コロナウイルスという歴史的な事件の
なかにいるので、少しは意識しますが
それでも相場の大きな方向性は材料ではなく
エリオット波動や自分なりの数値分析で判断を
下して行きます。
次回はその相場の方向性や安値目途などについて
根拠も交えてお伝え出来ればと考えています。
昨年10月15日にUPしていたシナリオです。
下落のスピードが違うだけで、あとはシナリオ通りです。
自分と大切な人を守るため、気を引き締めて
行きましょうね!
それではどうもありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします。
H.Yoshida
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著者略歴
吉田裕章/よしだひろあき
慶應義塾幼稚舎、慶應義塾普通部、慶應義塾高等学校
慶應義塾大学法学部政治学科卒
野村證券入社、同社退社後、衆議院議員第一秘書
国家公安委員長第一秘書。
学生時代に株式投資を開始。以来投資歴は35年以上。
日経225先物、日経225オプション取引をメインに株式
FX、暗号通貨含め投資全般に精通。
過去に関わった生徒は5000名を超える。
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なお、吉田裕章は現在投資助言業を営む法人の
代表などをしていますが、このメール及び動画などの
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活動であり吉田が在籍する他の法人とは何ら関係はありません。
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